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会長日記

子どものいない地蔵盆

8月23日は二十四節気の「処暑(しょしょ)」で、この時期からはだんだんと暑さがおさまる頃と言われています。今年は8月中旬頃から雨の日が多く、気温も猛暑日にならなかったのが、「処暑」のこの日から暑さが戻ってきてしまいました。

私が小学生だった50数年前、夏の終わりのクライマックスは町内の地蔵盆の行事でした。お地蔵さんの側にむしろを敷いて(古っ!)昼間はみんなでマンガ本を持ち寄って回し読みをし、アイスやスイカやお菓子をいっぱいもらって食べ、夜は親公認で夜更かしをして、花火や肝試しで楽しみ、最後にお小遣いまでもらえました。いつもは同級生くらいでしか遊ばないのが、1年生から6年生まで年齢を超えて親しくして、上下関係を学びつつ、新しい遊びなんかも仕入れることができました。こんな毎日が続いたらどんなに楽しいかと夢見ながら、残り少なくなった夏休みと残っている宿題に悩みつつ過ごしたのがこの時期でした。

最近は子どもも少なくなり、世話する大人の都合で土曜か日曜に1日だけの地蔵盆が多くなったのに加えて、コロナ禍でお供えやお参り、外での遊びまで制限されて、夏休みの思い出も何もなくなってしまい寂しい限りです。

そんな中、我が社の地蔵盆だけは、例年通り執り行いました。とはいっても、お地蔵さんの前掛けを替えたり、お掃除して提灯を釣り、お供え物をして、我が家のご住職に読経をしてもらい、朝礼の代わりに社員でお参りをするくらいのものですが・・・

お供えのお下がりは社員全員で分けて、家に持って帰ります。

通常23日、24日が地蔵盆の本日ですが、最近は休日にされるのが多いのか、大浜町や隣の八木浜町の大きめのお地蔵さんを見ても、普段と変わらない様子でひっそりとしています。子どもはおろか人の気配もありません。

我が町内の地蔵盆も、21日の土曜日に夕方6時からお参りをして、もう一時間後には撤収となってしまいました。子供たちの姿はほとんど見られませんでした。

社会や子どもたちの価値観が変わってきているとはいえ、昔から続く行事、風習が疫病のため制限されてしまうのは悲しい限りです。今日から東京パラリンピックが開幕しますが、「修学旅行はやめにして、パラリンピックは見に行け」というような大人の勝手で、自分で選択できない子供たちの行動を決めてしまっていいものでしょうか。

お地蔵さんと本社事務所の隙間からのぞいていた猫の目には、この人間社会の混乱がどのように見えているのでしょう。

地蔵盆はいつまでも子どもにとっての夏の最高のお祭りであって欲しいというのは、昔の人間のノスタルジーかなぁ・・・

社長