
ブログ
BLOG川越火力発電所
長浜市防火保安協会の県外視察研修で、先日三重県川越町にある「川越火力発電所」に行ってきました。この施設は、伊勢湾を臨む臨海工業団地の一角に位置し、1989年に1号機が営業運転を開始し、現在は全4系列、総出力約480万kWの世界最大級の火力発電所です。
「JERA」という聞きなれない会社の施設なんですが、この会社は中部電力と東京電力が50%づつを出資しているエネルギー会社だそうです。もともと川越発電所は中部電力の火力発電所として営業していました。

124万㎡という膨大な敷地に、燃料であるLNG(液化天然ガス)の受け入れ桟橋、貯蔵タンク、気化設備、発電設備、太陽光メガソーラーもあります。
かつては世界最大の火力発電所でしたが、2007年に台湾の台中発電所に、翌年には韓国の保寧発電所、2010年には東京電力の千葉富津発電所に追い抜かれましたが、今でも日本では第2位の発電量を誇ります。

火力発電と聞くと、石炭や石油をどんどん燃やして環境汚染の元凶のように思われますが、この発電所で使われる燃料はLNG(液化天然ガス)で、ばいじんや硫黄酸化物は排出しないので環境にやさしいといいます。LNGは産出地で天然ガスを液化するときに、ガス中のちり、硫黄分などを取り除いているため燃やしてもクリーンなのだそうです。
JERAという会社のミッションにも「2050年CO2排出ゼロに挑戦」とあり、再生エネルギーとゼロエミッション火力で発電を変えてみせるとうたわれています。
入口のところに「電力館テラ46」という施設があり、見て触って、実感し、遊びながら、エネルギーと生活との関わり方を学べるような展示館になっています。入館料は無料です。

JERAという社名の由来は何度聞いてもよくわからなかったので、興味ある方は調べてみて下さい。

ここの発電所でできた電気は27万5000ボルトというすごい高電圧で西名古屋変電所に送られます。

2本の高い煙突があって、高さは200mで太さは新幹線の車両が通れるくらいだそうです。外気温が低いときに煙突から白く立ち上って見えるものは、煙ではなく水蒸気だそうです。

訪れた日は、猛暑も収まり電力需要も少ない日だったので稼働率は相当低い状況でした。管理室で全てが制御されています。


発電所内のプラント建屋内部も見学させてもらいました。3号・4号系列にそれぞれ7つのラインがあり、そのうちの3-6番のラインがちょうど分解点検中でした。建屋内部は80デシベル程度の騒音レベルだそうです。


窓から海の方を見ると、LNGの大きな貯蔵タンクが6基見えました。1週間に2回ほどタンカーが入ってくるそうです。

普段見ることができない火力発電所を詳しい説明と共に見学出来て、貴重な体験をさせていただきました。
会長
CATEGORY
ARCHIVE